六本木ヒルズ・リベンジ

 なんの因果か。縁あって六本木の丘には、何度も何度も足を運んだことがあるのだが、お店にまともに入れたためしがない。大体、あの商業施設は、どういうわけだかいるだけでものすごく疲れるので、どこかでお茶でも飲んで休みたいなとすぐ思ったりするのだが、どこも激込み。同じように思う人が多いのか、それもまたかの商業施設の戦略なのか。唯一の例外として、鳥インフルエンザが発見されて日本中が大騒ぎな日に鳥料理専門店に入った。そこだけ閑古鳥が鳴いていたからだ。なんだかそれも寂しい。切ない。でも丸焼きは、美味しゅうございました。
 そんなワケで、リベンジすべくS嬢にご一緒していただいて、ランチをすることに。さすがに、何でもない平日はどこもそれなりに空いていたが、エノテカ系列のブルディガラに決定。(http://www.burdigala.jp/rest_tokyo_lch.htm) 1260円という、最低ラインを注文するも激ウマ。前菜のルッコラとサーモンのマリネの、サーモンの大きいこと!3×4cmくらいの棒状でゴロゴロと。恥ずかしながらこんな塊のサーモンを見るのは初めて。薄切りのやつしか知らなかったですよ。脂も程よくのって噛むと旨みがお口の中に広がるのです。塩味も全体に満遍なく利かせるのではなく、ミルで荒めに引いたものがパラパラとちりばめられていて、いい具合に主張しております。
 パスタの方は、海の幸リゾットでしたが、旨みたっぷりのパルミジャーノがふんだんに使われていてそれだけで贅沢!って感じですが、エビも小イカもホタテもリゾットとは別に、それぞれがハーブ等で下味がなされていて、いい具合に半生、プルプルなのです。特に小イカを丸ごと使っても臭くなく、かつプルプルジューシーで半透明なゆで加減は一般人にはなかなかマネできません。お米の芯の残り具合の絶妙さは言うまでもなく。S嬢のトマトとモツァレラのパスタ(リングィーネ)も、美味。モツァレラのグニグニの歯ごたえがたまりません。
 デニーズや五右衛門クラスでさえ、セット価格ではこのくらいすることを考えると、これでお飲み物がついて1260円也は犯罪行為に近いものが。恐るべしデフレ。しかも、天井の高い開放的な空間とモダーンなインテリアに囲まれ、教育の行き届いたウェイターさんにパンのお代わりを途切れることなくしていただき…。
 あ、唯一欠点を指摘するのなら、量がやや少なめなところでしょうか。大食いな私たちはその分をお代わり自由なフランスパンで埋めあわせしました。でも、普通の方でしたら大丈夫ではないかと思います。
 その後、六本木の丘は初めてというS嬢とグルグルとあれやこれや試着したりしつつ丘めぐりをしたのですが、やっぱり疲れてしまい、今日の本当の目的は森美術館に行くことだったりしたのですが、トラヤカフェで小豆茶とか、生姜とか白あんとか入った和洋折衷の焼き菓子をいただいて帰路に着いたのです。また、ここにこなければならないのか。