ロンドン交響楽団 / サントリーホール

 夫がバイオリニスト庄司紗矢香ちゃんの追っかけ?をしているので、それに付き合って。演目はシベリウス バイオリン協奏曲 ニ短調 op.47 。今日初めて聴く曲だ。
 しばらくぶりに見る紗矢香ちゃんは、一段と演奏が濃くなっていた。音色も日本人離れしたねちっこさだが、パフォーマンスもスゴイ。集中力が更に増しているというか、演奏に入るやあどけない顔から一転、眉毛を激しく上下させて、顔の半分くらいを行き来しているよう。私はあんなに動かせないぞ。バイオリンの弓は腕じゃなくて眉毛で引いてるんじゃないかと思うくらいだった。か細い体も左右に大きく揺らし、ぴっちりひっつめていた前髪も演奏が終わるころには、ボサボサ。こんなにかわいい子なのに。(オフィシャルサイト http://www.universal-music.co.jp/classics/shoji/index.htm) 
もっとも、平常時のおっとりしたお嬢様ぶりとの落差が激しいのが魅力なのかもしれない。競演する指揮者や第一バイオリニストはたいてい、ソロ演奏が終わって再び表情が一変、にっこり笑顔の彼女のことをデレーっとした顔で見ている。スケベオヤジのデレー顔じゃなくて、目に入れても痛くない孫娘に対するデレー顔。才能はあるし、素直そうだし、若いし、かわいくてしかたないんだろう。 
 アンコール曲は素人耳にも難度の高い曲だと分かるもの。後でボードを確認したが、それなりにクラシック通の夫も全く知らない作曲家で、そのためかどうかは分からないが拍手は今ひとつ。どんどん上手くなって、客を置いてきぼりにするタイプになってしまわないかとちょっと心配。