いぶりがっこの“金樽”

大根を燻製にしてから、主に米糠と塩で漬けこんだ漬物「いぶりがっこ」。
味的にはスモーク臭のする甘めの沢庵のイメージ。

そして、金樽とは“いぶりんピック”と称するいぶりがっこのコンテスト*1が去年2月から
いぶりがっこの産地の里で開かれるようになりまして。
その年の金メダルを受賞した農家の人のレシピで統一して作られたものが「金樽」という。


入手できたので、あきたこまちといただきました。これは美味しいと思いました。


首都圏を中心に3000本ほど出荷されたらしいです。
もし、見かけることがあったならおススメいたします。1本850円。
いぶりがっことしては超高級価格ですが。



正直に言うと、これまで食べたいぶりがっこを特に美味しいと思っておらず…。
でも、本当はこういう味だったんだ、と。原材料は大根、米麹、食塩とシンプル。


このあたりでは観光客向けのお土産品としてはもちろん、
日常食として普通のスーパーでも、
メーカー品から農家の人の手作り風まで
本当に驚くほど数多くのいぶりがっこが売られているのだけれど
食品添加物(黄色●号、サッカリン、うま味調味料等々)名がズラズラと並んでおり*2
伝統食とうたいながら、市場に出回っているのは伝統的ではないものばかり。
残念なことであるなぁと思っておりました。



「金樽」6日発売 香港へも輸出 秋田
http://www.asahi.com/national/update/0204/TKY200902040237.html

横手・山内地区産 いぶりがっこ全国へ
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20090224-OYT8T00098.htm

県内では、着色料で黄色く色付けたいぶりがっこが広く好まれているが、松本社長は、自然素材のみを使い、手作りした山内地区産のいぶりがっこを売り出したい考えで、「首都圏では色は気にしない。それよりも、『有機・自然・無添加』へのこだわりが求められている」と話している。

秋田経済って、大変なことになっている一方、商機の芽もたくさんあるように見えることも多い。
けれども、こういう「地元の人と都会の買い手との感覚の隔たり」みたいなものがネックの一つなのだろうか、とかね。

*1:と、言っても参加するのは地元の人、それもいぶりがっこの里のヒトだけであるが。

*2:1品だけシンプルなやつを見かけたが、いぶりがっこの里ではないところで作られたものだった。